胡蝶の夢

2005年1月24日 読書
半年くらいかけてやっと全巻読み終えた。
松本良順と新選組の絡みを期待して読んでみたけど、
蘭方医の松本良順、その弟子の伊之助、同じく蘭方医の
関寛斉を中心に幕末から明治にかけての日本の医学界に
までに発展してゆく物語だった。

幕末というと攘夷を志す志士たちなどを中心にした武士や
浪人たちの世界という印象が強いけど、この作品は
当時の医師たちを中心にした物語だ。

太平の世で強い権力をふるった漢方医と幕政が衰えるに連れて
徐々に台頭してくる蘭方医たちの生き様が興味深かった。

個人的には松本良順の実父佐藤泰然の描かれ方が魅力的だった。
学問、医学の探求に没頭しつつも、幕政で語学の面から補佐を
し、学友、弟子にも親切だったという人物。

幕末をさまざまな視点から取り扱っている作品のなかでも
異色の作品といえるかもしれない。

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